売却お役立ち情報

一棟賃貸マンションやアパートを
売却したときに税金はいくらかかるのか?

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おかげさまで多くの方から、お持ちの収益物件の売却の相談をいただくようになりました。

相談内容の中で、一番多いのはいくらで売れるか?ですが、次に多いのは売った時にいくらの税金がかかるか?という質問です。売却して大きな利益が出たと思ったら、思った以上に税金が発生してきて大慌てされる方は結構おられます。

大阪市旭区にお住まいのOさん(仮名)が、大阪府寝屋川市の一棟賃貸マンションを売却したときの事です。Oさんはサラリーマンを定年退職され、相続で受け取ったこの賃貸マンションを売却して、そのお金で住宅ローンの完済とお子様の大学進学費用を捻出しようと考えておられました。ところが、税金のことを考えておらず、売却後に想定以上の税金がかかり、当初のライフプランが不可能となり大変困っておられました。

こうならないように予め、自分の物件を売却したら税金がどれくらい掛かるのかを知っておくことは非常に大切なことです。そこで、保有されている一棟マンション・アパートを売れば、いくらの税金がかかるのかをまとめてみました。

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売却価格

売却価格とは、不動産を実際に売った際の取引価格のことで、その金額は売買契約書に記載されます。この価格が帳簿上の簿価より高い場合、税金が発生します。

ここで注意してほしいのは、税額を押さえるために申告用にもう一つ契約書を作成し売買契約金額を低く見せかけることで税金を逃れようとする人がいます。

いわゆる「B勘定」「B勘」というやつです。

当然ながら、このような行為は違法であり、税務調査で発覚した場合には追徴課税の対象となります。更に悪質なケースでは、脱税として刑事告発される可能性もあり、その結果、10年以下の懲役刑や1000万円以下の罰金刑を受けることになります。

非常にリスクが高い方法なので、絶対に避けたほうが良いです。当然、弊社はこのような行為には加担することはありません。

簿価

簿価は、不動産の帳簿上の価値のことです。建物の簿価は取得原価から減価償却費用を引いた後の残りの金額となります。一方で、土地に関しては減価償却の対象外であり、その価値は時間が経っても帳簿上変動しません。

収益不動産を保有している方は通常、確定申告や決算報告を行っており、それを見れば直近の簿価を知ることが出来ます。

もし簿価を把握していない場合、顧問税理士に問い合わせていただければ、簿価を確認することが出来ます。確定申告をしていない、または顧問税理士がいない場合は、税務上の問題が発生します。この場合、不動産に詳しい税理士を探してお願いをするようにしてください。

先祖代々から保有している不動産など、取得原価が不明なケースもあると思います。取得原価がわからない場合、売買価格の5%を取得原価として計算することになります。この簿価が分からないと税金の計算をすることが出来ません。

もしお持ちの賃貸マンション・アパートを売却しようと思われたときは、まずは簿価を把握するようにしてください。

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経費

売却にかかった経費は、譲渡益(売却によって得られた利益)から差し引くことができ、これにより実際に課税される所得の金額を減らすことが可能になります。

主な経費には以下のようなものがあります。

仲介手数料
不動産を売買する際に不動産会社に支払う手数料です。この手数料は売却価格に基づいて計算され、契約によって定められます。

司法書士費用
不動産の登記変更などの法律手続きを行う際に必要となる費用です。

印紙代
売買契約書などの重要な書類に貼付する必要がある印紙税のことで、契約書に応じた金額の印紙を購入し、書類に貼付します。

ローンの繰上げ返済手数料(違約金)
売却にあたってアパートローンが残っている場合、そのローンを繰上げ返済する際に発生する手数料や違約金も経費として計上できます。

修繕費
売却前に行った不動産の修繕やリフォーム費用。売却を目的とした美化や機能の改善などにかかった費用がこれにあたります。

さらに、売却時に不動産の測量を行ったり、建物を解体したりする場合、これらの費用も売却にかかった経費として計上することができます。

これにより、譲渡益からこれらの費用を差し引き、税金の負担を軽減することが可能です。

譲渡税率(個人の場合)

個人名義の収益不動産の売却は保有した期間によって、短期譲渡と長期譲渡に分けられます。

売却した年の1月1日段階で所有した期間が5年を超えてる場合は長期譲渡、5年未満の場合は短期譲渡となります。所有期間が5年以上かどうかではなく、売った年の1月1日の段階で計算するので、間違えないようにご注意ください。

それぞれの税率は次の通りです。

譲渡所得に対する税金は所得税と住民税がありますが、下記は両方を合計した税率です。

・長期譲渡:20.315%

・短期譲渡:39.63%

例えば譲渡所得が1000万円あれば、長期譲渡の場合の譲渡税は203万1500円ですが、短期譲渡の場合は396万3000円になります。

滋賀県大津市にお住まいのTさん(仮名)は滋賀県草津市にアパートを所有していました。新築で建てられたものを投資として購入しましたが、将来的にローンを払えるだろうかと不安な日々を過ごしていました。保有して4年くらい経った頃に不動産会社から自宅にダイレクトメールが届きました。なんとなく気になって無料査定依頼を頼むと、ローンの残債より高く売れそうだったので売却を依頼しました。

多少利益が残り、満足していたのですが、確定申告のときに税理士に相談してびっくり。短期譲渡に該当するので、譲渡益の39.63%が課税されてしまいました。

その時に、税理士から「あと半年遅く売ってたら長期譲渡になって税率が安くなったのに」と言われましたがあとの祭りです。

このように保有期間によって税率は大きく違うので、売却する時期は十分ご注意ください。

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法人名義の収益不動産売却時の税金

法人名義で収益不動産を売却した場合の税金は、個人名義での売却と異なり、法人税の枠組み内で処理されます。売却によって得られる利益(譲渡所得)は、法人のその他の収益と合算され、総合的な所得として法人税の対象となります。

法人の場合は特定の条件を満たす場合、税制上の特別措置が適用されることがあります。

例えば、事業用資産の買い替え特例や、中小企業者等に対する特別償却や税額控除などがあります。これらの措置を利用することで、実質的な税負担を軽減することが可能になります。

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まとめ

今まで説明した4つの数字がわかれば、売却した時の税金をすぐに計算することができます。

お持ちの不動産を売ったときに、いくら税金がかかるのか一度ご自身で計算してみてください。

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