売却お役立ち情報

大阪で賃貸アパート・マンションを
売却するときの不動産会社の選び方

売却お役立ち情報

あなたは、お持ちの賃貸アパート・マンション(収益不動産)を売却しようと思ったとき、どんな不動産会社に相談されたいとお考えですか?
弊社は今まで15年以上、400棟以上の賃貸アパート・マンション(収益不動産)の売買に携わり、多くのオーナーさまが物件を売却される現場に立ち会ってきました。

中には、「どう控えめに見積もっても、少なくともあと1000万円は高く売れたのに・・」「不動産会社選びを間違わなければ、こんなトラブルに巻き込まれることはなかったのに・・」ということも多々ありました。
そういった場面でいつも思うことは、「このオーナー様は、なぜこの不動産会社に売却を依頼したのだろう?」ということです。しかし、これはオーナー様を責めても仕方ありません。ほとんどの方は、賃貸アパート・マンション(収益不動産)の売却時にどの不動産会社に依頼すればいいか・・・なんて知りませんから。

そこで今回は、
大阪で賃貸アパート・マンション(収益不動産)を売却する際の不動産会社の選び方についてまとめました。
ぜひ、ご一読ください。

普通の人は知らないが、不動産業界の細分化が進んでいる

不動産会社」とは何か?

不動産会社とは、宅地・建物の売買、交換、賃貸、仲介、管理、開発、鑑定などの業務を行っている会社のことを言います。
その中で、不動産の売買仲介ができるのは、都道府県知事または国土交通大臣から免許を受けた「宅地建物取引業者」いわゆる「宅建業者」でなければ売買の仲介を行うことはできません。

宅建建物取引業の免許を持たずに物件の斡旋を行う「ブローカー」と呼ばれている方々もいますが、こういう方々が不動産の仲介を行うことは宅建業法違反となります。
また、コンサルタントと称して買主の斡旋をしている業者も増えてきていますが、これも宅建業法違反です。
無免許のブローカーやコンサルタントに依頼すると、本来宅建業法で定められている仲介手数料の他に、コンサル料などの別途費用を請求されることもあるので注意してください。

全国に、そして大阪に宅建業者は何社あるのか?

あなたは、全国に不動産会社が何社あるかご存知ですか?
不動産会社は大手不動産会社から個人経営の小さな会社まで含めると、だいたい12万社ほどあります。弊社の営業エリアである⼤阪府だけで、約1万3000社もあります。コンビニや⻭医者さんより、ずっと多いのが現状です。

私は業界団体の役員をしていたことがあり、多くの同業の経営者の⽅と話す機会があるのですが、みなさんの専門分野は多岐に渡り、その業務内容も全く違うことを知りました。「どんな業務にも対応します」と謳う会社もありますが、実際には得て不得手がありますので、ご注意ください。

細分化が進む不動産業

全国に約12万社、大阪で約1万3000社もある不動産会社の中で圧倒的に多いのは、⼀般の⼾建住宅やマンションなどの売買をしている会社と、駅前などにある賃貸仲介を専⾨にしている会社です。
⼤都市中⼼部に⾏くと、マンション⽤地をデベロッパーに卸している会社、店舗の仲介を専⾨にしている会社、⼯場・倉庫の売買に特化した会社などさらに細分化が進んでいます。その中に、弊社のような収益不動産件の売買に特化した会社があります。

専⾨化が進むと、その分野には詳しくなりますが、専⾨から少し外れるとよく分からないということになります。
そのため、弊社のところにも、他の分野が専⾨の会社から「賃貸アパート・マンション(収益不動産)の売却査定を頼まれたが、どうやって査定すれば良いのか?」という問い合わせが数多くあります。

広告をよく見る「大手不動産会社」なら安心して任せられるのか?

「大手不動産会社」とはどういう会社なのか?

収益物件に関わらず、不動産を売却しようとするときに、まず頭に浮かぶのが「大手不動産会社」と呼ばれている全国ネットワークを持ち、CMや広告、ダイレクトメールでの宣伝にも積極的な規模の大きな不動産会社がいくつか頭に浮かぶと思います。
親会社が財閥系企業だったり、銀行や鉄道系の仲介会社だと安心して任せられるというイメージがありますよね。当社もこれらの大手不動産会社と何度も取引をしたことがあります。物件調査はきっちりとしていますし、契約書の条文もものすごく細かく記載されていますし、さすが大手と感心したことが何度もありました。
そうした安心感があるという理由で、ダイレクトメールを送ってきた⼤⼿不動産会社に売却を依頼するオーナー様も結構多いようです。
でも、その選択はどうなのでしょうか?

実は、大手だから良い条件で売却してくれるという保証は全くありません。なぜなら、大手不動産会社も、取扱いの主⼒は⼀般の⼾建住宅やマンションの売買仲介なのです。その片手間に収益不動産の仲介をやっているところが大半だったりします。
しかも、ダイレクトメールを送ってきた営業センターには、収益不動産の専⾨家がいないところもたくさんあります
一応、社内には査定マニュアルはありますが、お客様の融資付けに対応できたり、市場動向を把握できている担当者はごく少数です。また、業界の商習慣を理解していない担当者もおり、後でトラブルの原因になることも。
もちろん、⼤⼿不動産会社の支店にも専⾨知識豊富な担当が⼤勢います。しかしながら、支店がたくさんある大手不動産会社の中で、その知識豊富な担当者に当たるかどうかは依頼してみないと分からない、くじ引きのようなものです。
まずは、担当者の販売実績をしっかり聞いてから、売却を任せるかどうか検討してください。

「大手不動産会社」はどんな人を顧客にしているのか?

⼤⼿不動産会社には、法⼈営業部などの名称で収益不動産や⼟地などの事業⽤不動産を専⾨に取り扱う部署も当然あります。しかし、彼らが付き合っている売却先はプロ投資家である買取転売会社や大手法人であることが多いです。
 
そのため、売却査定を依頼すると相場より安い価格を提示してくることが多々あります。この前も、「大手だから安心だと思って査定をお願いしたら、どこの会社よりも低い価格だった」だったというオーナー様がいらっしゃいました。
 「売却先が買取転売会社や大手法人」だと、なぜ査定価格が安いのでしょうか?

「大手不動産会社」に依頼すると損をする理由

大手不動産会社が、買取転売会社へ売却する理由。
それは、①買取転売会社に販売すると、②その会社がリフォームなどを施し、物件を再販するときにもう一度、媒介契約をもらう事ができ、同じ物件で仲介⼿数料を2回得る事ができるという旨みがあるからです。
つまり、①での価格を安く抑えないと、②の価格設定するときに高すぎて買い手がつかない可能性があるため、提示される売却価格が低くなるのです。

こういう手法は業界用語で「売り返し」「専任返し」などと呼ばれています。

大手法人も買取転売会社と同じで、購入時と売却時の媒介契約をもらい、仲介手数料を2回得る旨みがあります。大手法人の場合、長期保有を基本とし、減価償却費や運営費などを踏まえ、シビアな購入価格を提示する会社が多いのですが、資金力があるので定期的に購入・売却を繰り返すため、大手不動産会社としてはありがたい得意客なのです。

以上の理由から、大手不動産会社に売却査定を依頼すると、相場より安い価格を提示してくるのです。

さらに、大手不動産会社は両手取引といって、自社で投資家を探し、売主と買主の両方から仲介手数料をもらえるように営業活動をすることが大半です。賃貸アパート・マンションを専門に扱う収益物件の仲介会社にも、いい情報は出しません。専任・専属専任の媒介契約を締結した場合、レインズ物件情報を掲載することが義務付けられています。しかし、レインズを見て問い合わせをしても「商談中です」と言って資料を送ってくれない業者の多くが大手不動産会社です。義務だからレインズに掲載したけれど、他社には客付けをしてほしくないので、問い合わせがあっても無視をしたり、「商談中です」と嘘をつくのです。その割には多くの収益不動産を抱え込んでいますので、スピーディーな動きをしてくれないこともあります。

つまり、大手不動産会社だから良い条件でスムーズに売却してくれる・・・とは限らないのです。

地元密着の駅前の不動産会社に依頼するとどうなるのか?

駅前にある不動産会社はどんなところか?

宅地建物取引業者の業務は、大きく分けて2種類あります。
1つは「売買」の仲介、もうひとつは「賃貸」の仲介です。
この2つは大きく違い、両方を器用にこなしている会社は多くありません。

昔は、駅前の不動産業者が、売買も賃貸も不動産に関する地域ニーズをすべて満たしていたという時代がありましたが、先に述べたように業務の細分化が進んだ現在は、売買の仲介をする会社は売買の仲介のみ、賃貸の仲介をする会社は賃貸の仲介のみを行うという具合に、専業化が進んでいます。
特に賃貸アパート・マンション(収益不動産)の売買仲介は、特殊なジャンルなので対応できる会社はそれほど多くありません。そのため、駅前の大手フランチャイズに加盟しているような賃貸会社に売却を依頼すると、断られるか、知り合いの会社に丸投げされるケースが大半です。

そんな状況ですから、きっちりとした査定のできる会社はほとんどありません。

駅前の不動産会社の顧客は誰か?

駅前の不動産会社が顧客として日々接客しているのは、そのエリアで住む部屋を借りたい、家を買いたい、店舗を借りたいという人がほとんどです。そのため、賃貸の空き部屋・店舗情報、戸建て賃貸・売買情報を取り揃え、そうした顧客に向けたサービスを展開していています。

つまり、収益不動産を買いたいという不動産投資家を顧客に抱えている会社はほとんどありません。

駅前の不動産会社に任せるのがおすすめではない理由

以前、駅前で賃貸をメインに手掛けている会社が、オーナー様から専任で媒介を任されていた物件の仲介をしたことがあります。 
契約時に重要事項説明書をつくりますが、元付けの賃貸会社が作成した重要事項説明書の肝心な調査が全くされていなくて、弊社が調査から書類の作成まで一からやり直したことがありました。もし、買い側の業者もいい加減な会社だったら、とんでもないトラブルに発展していたかもしれません。
さらに、価格査定もかなりいい加減で、この物件を買った投資家はかなり美味しい条件で購入することができましたが、オーナー様にとってはとても不利な価格でした。

近頃は、売買専門の部署を設け、賃貸アパート・マンション(収益不動産)の売買に力を入れている会社もあるようなので一概には言えませんが、一般的には賃貸会社は、売買のことをよく知らないと認識した方が良いと思います。

不動産に詳しい友人に業者を紹介してもらうのはどうなのか?

不動産に詳しい友人」とは何者なのか?

「不動産を売るんだったら、俺に相談して。知り合いの不動産会社を紹介するよ」と、友人から言われたことはありませんか?知らない会社に依頼するよりも、友人が知り合いに依頼したほうが親身になって一生懸命やってくれるので、スムーズな売却ができるのでは?と思いますよね。
でも、その友人は本当に「不動産に詳しい」ですか?そして、紹介される不動産会社は収益不動産の売買仲介の実績が豊富なのでしょうか?

仲介会社の大半は「賃貸アパート・マンションの賃貸仲介と管理」、そして「居住用住宅(戸建、マンション)の売買仲介」をメイン業務しています。どの仲介会社も相談に行くと、「ウチに任せてください」と必ず言いますが、収益不動産の売買仲介は年に1~2件で、どういう価格設定をすればよいかわからないケースが大半です。 
また、現在の市況は価格が高止まりで、売却物件数も少ないため、売り物件ほしさに高い査定金額をつける不動産会社少なくありません。もちろん、その価格で買いたい人が出てくるまで粘るという手もあります。しかし、銀行融資が物件価格と大きく乖離すると、かなりの資産家が現れない限り、誰も見向きもしません。 
売り物件情報を掲載するレインズに掲載しても、反響がなく、依頼された不動産会社もだんだんやる気を失い、本気で売却活動をしないので、いつまで経っても「売れない物件」という情報と噂だけが独り歩きをするという現象が起こります。

もちろん、本当に収益物件に精通している不動産会社を紹介されるかもしれません。友人だからと話を鵜呑みにしないで、紹介された不動産会社の売買実績をよく聞くようにしてください。

不動産業界の「紹介」の裏事情

不動産業界ではよくある話ですが、売物件情報や買主などを紹介するとコミッションやキックバックがあることが多いです。

不動産に関する「紹介」には、紹介する方、される方の関係性があり、そうした裏事情がある場合もありますので、繰り返しにはなりますが、話を鵜呑みにしないで、紹介された不動産会社の売買実績をよく聞くようにしてください。

大阪で「収益不動産専門の不動産会社」の見つける方法

大阪で収益不動産専門の仲介会社に任せるのが一番良い理由

多くの⽅は、売却を考えたときに知り合いの不動産会社に相談します。もしくは、現在、管理を任せている不動産会社に相談します。ここが、売却に失敗する⼀番⼤きな原因です。 

先にも述べたように、「知り合いの不動産会社」の多くは、収益不動産についてよく知りません。もちろん、⽇頃扱っている⼾建住宅やマンションに⽐べ収益不動産は⾦額が⼤きい=仲介⼿数料の額が⼤きいので、⼀⽣懸命やってくれるとは思います。
しかし、専⾨ではないので価格が相場よりかなり安かったり、取引時に注意する収益不動産特有のポイントを理解せずに取引を⾏い、引き渡し後、深刻なトラブルに発展するケースも少なくありません。
契約書に「契約不適合責任免責」と明記しているにもかかわらず、裁判になって売主が敗訴する事例も頻発しています。収益不動産専⾨の不動産会社から⾒ると「なぜここをきちんとしなかったの?」と思うような基本的な理由であることが⼤半です。
最近は、管理会社も収益不動産の売買に取り組む会社が出てきました。ただ、管理と売買はジャンルが全く違うので、上⼿くいっていないことが多々あるようです。

では、具体的にどういう会社に依頼するのが良いのでしょうか?

答えはズバリ、
賃貸アパート・マンション(収益不動産)の売買に精通している収益不動産専⾨の不動産会社です。
理由は次のとおりです。

収益不動産専門の仲介会社に任せるのが一番良い理由
  • トラブルが少ない
  • 査定価格が正確
  • 顧客を数多く持っている

トラブルが少ない
収益不動産の取引は専⾨性が強い分野です。専⾨の不動産会社は、取引の注意点などを熟知しているのでトラブルが少ないです。

査定価格が正確
市況をよく知ってるので、⾼過ぎず安過ぎない最適な価格でのスムーズな売却が可能です。例えば、「急いでいないので市況より少し⾼い価格で売り出してじっくりお客さんを探す」といった微妙な価格調整なども出来ます。専⾨ではない不動産会社には、この微妙な匙加減ができません。

顧客を数多く持っている
⻑年、収益不動産を専⾨に取り扱っていると、当然顧客も数多くいます。顧客数が増えるとスムーズな売却が可能となります。
特に、あまり表に出さず内々で⾼く売って欲しいという要望は、専⾨の不動産会社以外にはまず無理です。でも、顧客をたくさん抱えている不動産会社は⾃社で客付けして、⼿数料を売主・買主両⽅から取ろうとしますので、情報を他の不動産会社にばらまくリスクは⼩さくなります。それでも気になる場合は、不動産会社に売却を依頼するときに、「近所の○○さんに知られないようにしてください」「同業の○○会社には連絡しないでほしい」と伝えてください。それを受け、不動産会社は⾃社リストの中にその⽅やその会社が⼊っているかを確認。対象者がいればリストから外して、⾃社の顧客に営業をします。そうすれば、情報をばらまかれずに、買主を⾒つけることができます

以上の理由から、お持ちの賃貸アパート・マンション(収益不動産)を売却するときは、収益不動産専⾨の不動産会社に依頼するのが⼀番良いと思います。

大阪の収益物件専門の不動産会社はどこにある?

ネットで探す
楽待、健美家、といった不動産投資系のポータルサイトに掲載している会社にアプローチしてみましょう。また、ポータルサイトに掲載されていない会社の情報は、「収益不動産、売却、仲介業者、大阪」といったワードで検索し、検索結果で表示された会社のホームページを見たり、電話するなどして収益不動産の取り扱い実績や市場について聞くようにしてください。何社かと話をすれば、ここの会社は詳しそうだ・・・というポイントがわかってくると思います。

収益不動産の売却経験がある知り合いからの紹介
収益不動産の売却経験がある知り合いがいれば、お勧めの不動産会社をいくつか紹介してほしいとお願いしましょう。こちらも、教えてもらった会社のホームページを見たり、電話するなどして収益不動産の取り扱い実績や市場について聞くようにしてください。そして、所有する収益不動産のエリアに詳しそうな会社、自分の売却方針と考え方が合う会社かなどを踏まえて、どこに任せるかを検討してください。

「良い不動産会社」を見分けるコツ

業歴を確認する
売却を任せる仲介会社を選ぶとき、その会社の実績なども知りたいと思う⽅も多いのではないでしょうか?実は、不動産会社の業歴は簡単に調べる事ができます。
今までに、不動産会社の⼈からもらった名刺を出してみてください。例えば、弊社の者と名刺交換をした方は、名刺に次のような番号が書かれていると思います。

⼤阪府知事(4)第52945号

これ、弊社の免許番号です。不動産会社は、各都道府県知事もしくは国⼟交通⼤⾂から宅地建物取引業の免許をもらって営業しています。ほとんどの不動産会社の社員の名刺には、この免許番号が書かれています。名刺に書かれていなければ、その会社のウェブサイトや、あるいは会社名で検索したら所属している業界団体のウェブサイトで免許番号を検索する事ができます。
話は少しそれますが、免許番号のない会社=無免許の不動産ブローカーには絶対に依頼しないようにしてください。後々トラブルになる事が⼤半です。
さて話を戻します。この免許番号を⾒ると、弊社の場合ですと(4)の部分が業歴を表す数字です。宅建業の免許は5年に⼀度更新されます。その都度、( )の中の数字が⼤きくなっていきます。
つまり、
(4)だと業歴が15年以上20年未満
(1)だと業歴5年未満
(2)だと5年以上10年未満
となります。業歴が古ければいいというわけではありませんが、ある程度業歴がある会社の⽅が販売⼒があると判断できると思います。

ホームページの内容をしっかり見る
ホームページで代表者や担当者の顔写真が掲載されている会社は、私が担当します、ご安心くださいという姿勢の現れですので、一度連絡を取り、自分の考えと合うかどうか確かめてみましょう。
逆に似顔絵イラストの会社は要注意です。親しみやすい感じはしますが、顔出しができない事情があってイラストにしている場合もありますので、気をつけてください。
また、やたらゴージャスな雰囲気ばかりが先行し、あまり情報が掲載されていないホームページの会社にも気をつけましょう。セミリタイアやらFIREというワードを使って買主を集客している会社にも気をつけましょう。
収益不動産の売却を成功させるには、あなた自身がしっかりとした販売戦略をもって望まなければなりません。そのパートナーとして売却についての知識が十分かどうか、ある程度判断できる情報が掲載されている会社を選ぶようにしてください。

「専属専任」「専任」「一般」どれがおすすめ?

媒介契約が必要な理由

当たり前の話ですが、不動産会社は他⼈が持っている不動産を勝⼿に売ることはできません。持ち主から、この条件で売ってくださいと依頼をされて、初めて売却活動をする事ができます。その時に、単なる⼝約束だと後で⾔った⾔わないといったトラブルになるので、宅建業法という法律で、こういう条件で売却を依頼しますという内容の「媒介契約」を締結することが定められています。

媒介契約の3つの形態

この媒介契約はその内容によって3つの種類があります。
①⼀般媒介
②専任媒介
③専属専任媒介

です。売却を依頼するとき、仲介会社とどの形式での媒介契約を結ぶか、迷われる⽅も多いです。まずは、この3つの媒介の形態それぞれを売主から⾒たメリット・デメリットをご説明します。
注意)ちなみに時々聞かれることですが、仲介⼿数料はどの形態の媒介契約を結んでも同じです。どの⽅法が⾼いとか安いという差はありません。

一般媒介契約について

  • 特徴
  • ①⼀般媒介契約は、専任や専属専任とは違い、複数の仲介会社に媒介を依頼することができます。

    ②専任と専属専任は、レインズという宅建業者だけが閲覧できる売り物件情報のデータベースへの登録が義務付けられていますが、⼀般媒介は任意です。つまり、レインズへの登録をしても、しなくても構いません。

  • メリット
  • ①複数の不動産会社に依頼できるということは、それだけ販売チャンスが増えるということになります。⼀つの不動産会社のなかで情報がコントロールできないので、⾼く売るチャンスもあるということになります。
                                                           ②レインズは登録しても、しなくてもどちらでも良く、するしないは売主が決めることができます。そのため、販売状況を⾒て、最初は登録しないよう依頼していたけど、やっぱり登録して欲しいと⾔った風に変更もできます。

  • デメリット
  • ①他と天秤に掛けられるので、不動産会社は本気になってくれないとよく⾔われています。もしかしたら、低価格帯の⼾建住宅やマンションだとそういうこともあるかもしれませんが、収益不動産の場合は価格も⾼いので、⼀般でも頑張って営業活動をしてくれるケースが多いと思います。

    ②複数の不動産会社に依頼できるからといってたくさんの会社に依頼すると、どの会社とどういう話が進んでいるのかがわからなくなり、トラブルになることも多いので、商談の記録はきちんと残しておく必要があります。

専任媒介契約について

  • 特徴
  • ①複数の不動産会社に依頼することはできません。依頼することができる不動産会社は1社だけです。例外:⾃分で直接買主を⾒つけた場合は、その不動産会社を通さずに直接契約することが可能です。

    ②不動産会社1社にしか依頼できないので、不動産会社側にも縛りがあります。ⅰ媒介契約を結んで7⽇以内に、レインズへの物件登録が義務つけられています。ⅱ最低2週間に⼀度以上の頻度で、販売状況を報告する義務があります。

  • メリット
  • ①1社に任せるとなると、不動産会社は⼀般媒介に⽐べ真剣に売却活動をすると⾔われています。
                                                           ②2週間に⼀度以上の報告義務があるので、少なくとも忘れてほったらかしになるリスクは少ないと思います。

    ③レインズへの登録義務があるので、⾃社だけで両⼿取引をしようという囲い込みはできないことになっています。

  • デメリット
  • ①1社にしか依頼できないので、売れる、売れない、いくらで売れるのかはその会社を信じるしかありません。中にはうまく絵を描いて、安く売らせようとする不動産会社も残念ながら存在します。

    ②レインズへの登録義務もありますが、時々登録しない業者もいます。そのため、登録証明書を必ずもらうようにしてください。登録しても、他の不動産会社から問い合わせがあっても対応しない会社もあります。これは囲い込みと⾔って、⼤⼿不動産会社でも平気で⾏います。そのため、最終的には不動産会社に絵を描かれて安くしか売れないというケースも⾮常に多いです。

専属専任媒介契約について

  • 特徴
  • ①専任媒介契約と同様に、仲介会社1社にしか依頼できません。注意:専属専任媒介の場合は、⾃分で⾒つけた買主であっても、その不動産会社を通して契約をする必要があります。当然、仲介⼿数料も⽀払う必要があります。

    ②仲介会社の縛りは専任よりも厳しいです。ⅰレインズへの登録義務は、専属専任の場合は5⽇以内。ⅱ売主への報告義務は、1週間に⼀度以上の頻度で販売状況の報告が必要になってきます。

  • メリット
  • レインズ登録までの⽇数と報告頻度がより短い。
                                                          
  • デメリット
  • ⾃分で⾒つけた買主でも直接契約することはできない。

以上が、3つの契約形態の特徴とメリット・デメリットになります。では、どの形態で媒介契約を結ぶことが、売主にとって⼀番メリットがあるのでしょうか?

収益不動産売却で一番オススメの方法は?

⼀般媒介にする

不動産会社の⽴場では⾃社を専任にした⽅がメリットは⼤きいですが、売主⽬線で⾒たときは「⼀般媒介契約」がおすすめです。

一般だと不動産会社が頑張らないというのは、不動産会社が専任媒介を取るための⼝実です。⼀般だろうと専任だろうと不動産会社は頑張ります。頑張らないとすれば、市況とかけ離れた価格で、頑張っても売れないのでしばらく様⼦を⾒ておこうという場合がほとんどです。
昔からの付き合いで、お互いに信頼関係ができている不動産会社がある場合は、その⼈に専任を任せるのも良いと思います。

しかし、それほど深い付き合いのない会社や担当者に専任や専属専任で任せるのは、売れる売れない、いくらで売れるかをその⼈に⼀任することになるので、売主からみるとリスクでしかありません。

任せるのは3社まで

⼀般媒介だから何社に依頼してもいいからと、たくさんの会社と媒介契約を結ぶ⼈がいますが、これはあまりお勧めできません。情報のコントロールができなくなって、トラブルになることが⾮常に多いからです。

任せるのは3社くらいまでにしておきましょう。
これくらいなら、販売状況の把握もしやすいですし、逆に3社に依頼して売れないということは価格が相場よりも著しく⾼いからで、10社に頼んでも売れないケースがほとんどです。逆に多数の会社に依頼しても売れないということは、売れない理由のある物件だと不動産会社もわかりますので、本気で営業活動をしなくなります。

3社の内訳としては、収益専⾨業者2社、⼤⼿1社というバランスが良いと思います。
売却しようと不動産会社に相談したら、どの会社も⾃社に任せてほしいと営業されます。その中から収益不動産の売却で実績の豊富な会社で、担当者が誠実で仕事ができそうな会社から選ぶのが良いと思います。

レインズへの登録は状況を⾒て考える

媒介契約を結ぶときに、必ず確認する必要があるのが、レインズに載せるか載せないかということです。
⼀般の⼾建やマンションならレインズに載せ、ポータルサイトに情報公開をするのが⼀番良い条件でスムーズに売却するための最良の⽅法ですが、収益不動産の場合はちょっと違います。

なぜなら、レインズやポータルサイトには載っていない物件を探している⼈が多いからです。そういうところに載せずに、スムーズで好条件で売却というのは⾮常に⽭盾した考えですが、収益不動産の売却活動の現場の実情でもあります。

そのため、最初の段階ではレインズに載せない、ポータルサイトにも載せないという条件で売却活動を進めるのが良いと思います。2~3ヶ⽉経っても売れる気配がないならレインズへの掲載も考えると良いでしょう。

広告は行うべき?内々でこっそり売るべき?

なぜか内緒で売りたがるオーナー様

おかげさまで、多くのお客様から物件の売却依頼をいただくのですが、その際にかなりの頻度で、お願いされることがあります。

それは、「周りに知られないように、こっそり売ってほしい」ということです。

主な理由は、
「この物件が売りに出ているのを近所の⼈に知られて、変な噂を⽴てられると困る」
「物件を売りに出したら、同業者からあの会社は経営が苦しいんじゃないかと勘ぐられるのが嫌だ」
などです。実際、そのように思われている⽅は多いのではないでしょうか?
ただ正直なところ、収益物件を売り出しても、周囲にはあまり気づかれません。「知られたくない」「こっそり」とおっしゃる⽅は、⼾建て住宅の販売現場をイメージされていると思います。現地にのぼりが⽴てられ、「売物件」の看板が出ているのをイメージされて、⾃分の物件がこうなるのは嫌だなと思っている⽅が多いのではないでしょうか︖

⼾建住宅の売却と違い、収益不動産には⼊居者が住んでいます。オーナーとして⼀番恐れなければいけないことは、⼊居者に売ることが知られて不安に思われることです。
「建替えになって、追い出されるかも」
「オーナーが変わったら、家賃が上がるかも」
「管理の質が悪くなるかも」
などと思われて、退去されたら、家賃収⼊が落ち込み、売却価格も思うような値段にならないかもしれません。そのため、現地にのぼりや看板が出ることはありません。

また、インターネットに広告を出しても、それ⾒るのは不動産投資家や不動産業者だけ。近所や同業の⽅に知られることはほぼありませんので、ご安⼼ください。

※以下のe-bookで、詳しくまとめています。ぜひ、ご一読ください。

「店晒しになると売れなくなる」の都市伝説の正体

「レインズに載せると店晒しになって売れなくなる」「情報が出回ると誰も買わなくなる」などといった話を聞いたことはないでしょうか?
不動産業界では、昔から常識として伝えられてきました。この話、本当なのでしょうか?                                         

レインズに載ると買わないのは誰か?それは転売業者です。                                                   

物件情報が出回ると、買い取って転売するときに、以前に売りに出ていた価格が相手に知られてしまう可能性があります。そのため、転売業者が情報が出回った物件を買うのを嫌がるのです。しかし、先に述べたように転売業者は相場より安く買わないと利益が出ません。その言葉を鵜呑みにすると、相場より安くしか売れなくなりますのでご注意ください。

高く売るために最適な販売方法

もし、所有物件を⾼く売りたいとお考えならば、⽅法は⼀つ。

とにかく1⼈でも多くの⽅に、「売っている」という情報が伝わるようにすることです。

私が自社物件を売ったときは、必死で情報をばらまきました。同業者や会員のお客様へのメールやFAX、収益不動産系媒体への広告など、1人でも多くの方に情報を届けるためにあらゆる方法を使いました。不動産は、売買価格が相場よりどんなに⾼くても1⼈が買うと⾔えば、それが正解。
「税金対策で」
「近隣地を持っているので、合わせて開発したい」
「実は、そこが創業地と言われており、手に入れたい」など、
⾼くても買いたい理由は⼈それぞれです。

ただ、そういう理由を抱えた⽅を「こっそり」ピンポイントで⾒つけるコトは⾄難の業です。⼤半の⽅は、できるだけ安く買いたいと思っていますから。⾼くても買いたい⽅を捕まえるためには、その⽅に情報が届くよう、とにかく情報をばらまくしかありません。「極秘で内々に」「⾼く売りたい」というのは全く真逆なことなので、両⽴して実現することはほぼありません。

最近、収益不動産所有者といえば、不動産業者や不動産投資家の率が⾼くなってきています。彼らは、頻繁に売ったり買ったりしています。そのため、知り合いが、収益不動産を売り出したと知っても、「ああ、そうなんだ」くらいで誰も気にしません。プロは誰も、「こっそり売ろう」なんて考えていないのです。

そのときに注意したいのが、収益不動産の取扱いがあまりない不動産会社に売却を任せてしまうと、⾃社でお客さんを探すことが難しいため、結局は同業者に情報を公開して客付けを依頼することになります。そうなると情報のコントロールが事実上不可能になります。情報をもらった不動産会社がさらに他の不動産会社へ情報を渡したり、近隣にチラシをまいたり、物件の隣の家に「買いませんか?」と声をかけるなど、⼀番知られたくない⼈に営業してしまう可能性も⼗分あります。

先にも書きましたが、賃貸アパート・マンション(収益不動産)の売却は投資家顧客を多数抱えている収益不動産専⾨の不動産会社に依頼してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?賃貸アパート・マンションの売却は、専⾨性が⾮常に⾼い事がお分かりいただけたと思います。
オーナーの皆さまにとって、⼀⽣に⼀度の売却であるという⽅も⼤勢おられると思います。その際、後で後悔する事がないように任せる不動産会社選びに失敗しないよう注意してください。

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